Arduinoでロボットを作ってみました!【6】厚紙で部品を作るPart2
展開図と折り方について
厚紙をカットし折り曲げて立体的な部品を作る際には、折線の箇所にカッターで軽く傷を入れて山折りか谷折りをします。完成品の寸法をできるだけ設計寸法に近づけるためには、展開図と折り方をどうするのが良いでしょうか。
折り曲げた状態が、上図のようになると考えると、完成品寸法から厚紙の板厚の2倍を引いた寸法を折線の位置として、山折りをするのが良さそうですが、完成品寸法と折線位置とを同じにして谷折りしても悪くなさそうです。
ところが、実際に折ってみると、
なかなか、理想的な形状にはならないようです。そこで、展開図と折り方をいろいろ試してみて、どの方法が一番完成品の寸法精度が良くなるかを実際に確認してみました。
より精度の高い完成品を作るための展開図と折り方の検討
7種類のサンプルを準備しました。
サンプルは図に示すような、曲げが4箇所ある形状で、これに対して展開図を4種類準備します。
No.1 完成品の内寸を採用して展開図を作成
No.2 完成品の外寸を採用して展開図を作成
No.3 完成品の(内寸+外寸)/2を採用して展開図を作成
No.4 3D CAD SOLIDWORKSの板金設計にて展開図を作成
3D CADの板金設計では、左図のような板金部品を設計し、板厚、曲げRを指定すると曲げ部での材料の変形も考慮して、いい感じの展開図を自動で作ってくれます。
No.1~No.3の展開図に対して山折り用と谷折り用、No.4の展開図に対しては谷折り用の計7種類のサンプルを準備します。
折線の箇所をカッターで軽く傷を付けて、
山折りは指で簡単に折れます。
谷折りは折線にノミなどを当てながら折ります。
こうして準備したサンプルについて、各々3箇所の寸法をノギスで測定します。
結果は下表のようになりました。
SOLIEWORKSの板金設計による展開図 で作ったサンプルが、完成品の寸法精度が最も良い結果となりました。次に、完成品の(内寸+外寸)/2を採用して展開図を作成し谷折りしたもの、完成品の内寸を採用して展開図を作成し山折りしたものも悪くはなさそうです。完成品の外形寸法(外寸)から展開図を作成すると、設計寸法から大分外れたものができてしまいます。
ちなみに、山折り、谷折りが混在している部品の内寸、外寸の考え方は下図のようになります。
展開図は同じですね。